ドイツの音楽大学に進学するために本当に必要な語学力。

留学生活

ドイツの音大に進学しようと思ったら、避けては通れないのが「語学力」。

ドイツの音大ではレッスンや授業は基本的にドイツ語で行われます。先生によっては、まだドイツ語が苦手だな、と感じる学生に対しては英語でレッスンしてくれることもあるかもしれませんが、授業はそういうわけにはいきません。

ちんぷんかんぷんだったとしても、ドイツ語で授業は進んでいくのです。😱

というわけで、どの程度できればちゃんと音大内で生きていけるのか、書いてみたいと思います。

ドイツ語のレベルについて

ドイツ語学習時に指標となるのが「ドイツ語のレベル表」。

「A1」の基礎段階から、「C2」のネイティヴレベルまで6段階に分かれています。

語学学校のクラスでは、進度別にさらに細かく分けられて、一つの段階が2つになる学校もあります。

A1」を例にすると、「A1.1」と「A1.2」を終えると、「A1」レベルの語学テストを受けるための内容を網羅しているということになります。

ゲーテ・インスティトゥート(https://www.goethe.de/ins/jp/ja/spr/kon/stu.html)のホームページより以下の表を引用しました。

 基礎段階の言語使用
 A1
まず、日常生活の場面で短く簡単なドイツ語表現が理解でき、自分でも言えるようになります。例えば自己紹介ができ、相手に簡単な質問をしたり、それに答えたりできます。食事や買い物や旅行の場面で、相手がゆっくり明瞭に話してくれるなら、コミュニケーションが図れます。
 A2
毎日の生活で頻繁に使われる言葉や表現に慣れ、仕事や家族や故郷など、自分に関する事や日常的で具体的な生活に関する事なら、ドイツ語でコミュニケーションが図れます。また日常的に必要な事柄が、簡単な文章の形で表現できるようになります。
自立した言語使用
 B1
明瞭な通常のドイツ語であれば、仕事や趣味や生活など日常的な事柄についてのドイツ語の発言や文章が理解できます。例えば、旅行中に出会うさまざまな出来事に対して、必要な対応ができ、また、自分の経験や夢・希望・目標などについて話すことができます。さらに、自分に身近なテーマあれば、意見を述べたり、その論拠を説明したりできます
 B2
抽象的で複雑なドイツ語で表現されても、その趣旨が理解できます。自分の仕事や専門分野に関する事柄なら、ドイツ語で行われる議論の内容が理解できるだけでなく、自分の立場や意見を述べたり、あるいはひとつの意見に対する利点と不利点を論述したりできます。日常的ないくつかのテーマでは、広い範囲にわたって明確に意見と情報が交換でき、ドイツ語を母国語とする人との間で、相互に困難を感じずに自然な会話が成立します。
熟達した言語使用
 C1
ほとんどのテーマで、高度なドイツ語表現や長い文章が理解でき、また、その言外のニュアンスも感じ取れます。ドイツ人社会で、社会人として職業についたり大学で学んだりするのに必要十分な語彙と表現を使いこなし、複雑で微妙な内容を正確なドイツ語で表現することができます。
 C2
社会生活上、不自由なくずべてのことに対応できるドイツ語力があります。さまざまな分野の多様なテーマに関して、読む、書く、話す、聞くことが困難なくでき、また、ニュアンスにとんだ自然なドイツ語を正確に使うことができます。

引用:ゲーテ・インスティトゥート

「普通に話せる」レベルは「B2」

基本的にどの大学も、外国人留学生にはある程度のドイツ語力を求めています。

レベルは学校によって違い、語学の証明書も入学時に出さなければいけなかったり、半年後で良かったり、条件は様々です。

こちらの記事の「必要なドイツ語能力を調べる」という欄も参考にしてみてください。⬇︎
https://warakado.work/72/

しかし、一般的に「普通に会話できる」レベルは「B2」程度だとされてます。

もちろんレッスンで言われたことを理解したり、授業についていくことも大事ですが、私にとって言葉でつまづいて一番苦しい時は「友達と話す時」。

せっかく友達ができて、いろんなことを話したくても、うまく言葉が出てこなかったり、友達が冗談やおもしろ話を言って周りがウケてても自分だけ理解できてない時が一番苦しい。そして聞き返す空気でもない時は周りに合わせて愛想笑いするしかない自分も嫌になります。

そしてせっかくできた友達も、踏み込んだ会話ができないので「知り合いと友達の間」レベルの人間関係でしかなくなってしまうのです…。

というわけで、友達と仲良くなるためにも語学は本当に重要

「A2コース」を終えたところで渡航した

私は日本でしっかり語学学校に通っていたわけではありません。なぜなら「高かった」から。(笑)

藝大にはネイティブの先生の授業があったので、なんと4年間、週に2回ほどネイティブの先生の授業に行っていましたが、大して予習・復習をしていなかったのであまり身につきませんでした(当時の自分に怒りたい)。そう、4年もドイツ語を勉強していたはずなのに、基礎中の基礎しか身についていなかった…。

入試に合格してから、DAADが斡旋してくれた語学学校にオンラインで参加しました。こちらの記事の「ドイツ語の学習支援」というところに内容をまとめています。⬇︎
https://warakado.work/98/

こちらは2ヶ月間、週5日のインテンシブコースで、一日あたり4時間あります。一ヶ月目にA2.1クラス、二ヶ月目にA2.2クラスを受講。が、しかし、このオンライン×長時間×毎日が性に合わず、最後の方は熱を出して寝込みました(笑)

最後の方は体調を崩してしまったのと、ドイツ渡航と日程がかぶってしまったので出席できないことが多かったのですがなんとか修了。A2コースを終えたところでドイツにきました。

もう全然わからない

A2のコースを二ヶ月も頑張ったし、少しは話せる自分に期待して渡航するも…

全然わからない!!!(笑)

結構がっくしきて、ドイツにきて1週間でホームシックになりました。その時は本気で日本に帰りたかった(笑)

学校からの重要なメールも見落としていたし、オーボエクラスのみんなと知り合うも何を喋っているのか、先生もクラスに向けて何をアナウンスしているのか、全くわからずしんどかったです。

クラスに日本人の先輩がいるので、いつもわからない時は聞いていましたが、全部頼りっぱなしなのも申し訳なくて、自分に嫌気がさしていました。

そしてドイツ語がいまいちなので、会話の序盤で、「あ、英語の方がが良い?」と聞かれますが、英語もいまいちなのです…。

なぜみんな英語もちゃんと喋れるの?😇

という感じで落ち込むばかりでした。(笑)

大学の授業が始まる前に現地の語学学校に行くのがおすすめ

これはドイツにきてから薄々感じたことなのですが、外国人留学生は、大半の人は、ドイツで大学に入る前に現地の「語学学校」に行って、ドイツで生活しながら数ヶ月、語学の準備をするみたいです。

私も本来その予定でしたが、とはいっても、しっかりやったのは2ヶ月間。しかもオーボエの練習をかなり犠牲にした2ヶ月間でした。

ドイツにきてから1週間後に大学の授業が始まってしまったのも大変なことの一つです。

そもそも大学のシラバスの見方もわからないし(ドイツ語だから)、授業も本当に先生が何を言っているのかわからなかった。そして生活にもまだ全然慣れていない頃でした。

授業が始まる1週間前に行けば大丈夫だろうと思っていたのは大間違い、できれば3ヶ月はドイツで語学学校に通いながら生活に慣れ、身の回りのことを整えた方が良いと思います。

学校ごとの基準はただの「基準」

学校ごとに「このくらいの語学力が必要ですよ」というのがあると思います。

藝大にいるときに、同じくドイツ留学を考えていた友達と

この学校は語学がB2必要だから大変だよね」とか、

この学校はA2でいけるから、まだ易しいね

という会話をしていました。

今ははっきり言えますが、それは違います!!

学校に入るための語学力ではなく、入った後に自分を守るための語学力なのです。

なんなら、基準が高い学校に入った方がみんな喋れるし、意思疎通はちゃんとできます。

そして室内楽などをやるときも、レベルの高い音楽作りができるのです。

終わりに

私の切実な心の声、届いたでしょうか(笑)

留学を考えてる方はぜひ早めに、そして決まった方はギリギリではなく数ヶ月前にきて語学学校に通うことをおすすめします。

少しでも私の意見が参考になれば嬉しいです!

ではまた!🌸

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コメント

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