私は現在、ドイツ学術協会、通称 DAAD(Deutscher Akademischer Austauschdienst)と呼ばれる機関から返済不要の奨学金を頂いて音楽留学しています。
実際ドイツに留学してみて、経済的な支援だけではなく留学生へのサポート体勢が本当にしっかりとしているな、と感じています。こちらの団体の奨学生で良かったなと思うことがとてもたくさんあるので、ドイツ留学を考えている方は併せてDAADもぜひ検討してみてください。
DAADのホームページはこちら⬇︎
https://www.daad.jp/ja/
どんな奨学金?
DAADは世界規模でドイツへの留学生、またはドイツからの留学生を支援している機関です。
いくつかの種類の奨学金が用意されていて、日本人が応募できるのは大きく分けて4種類。
- 研究奨学金(博士号取得を目指す方向け)
- 留学奨学金(修士号取得を目指す方向け)
- 芸術奨学金(音楽、美術、デザイン、映画、舞台芸術などを学ぶ方向け)
- 大学教員・研究者のための研究滞在奨学金(博士号を取得した大学教員・研究者の方向け)
私は音楽留学をしているので、芸術奨学金を頂いています。
経済的サポートだけじゃない
私が今までに調べてきたものは音楽奨学金が多かったので、比較対象が音楽分野になってしまいますが、一般的な音楽奨学金ですと経済的なサポートやコンサートの斡旋がメインかと思います。
DAADは様々な分野のドイツへの留学生を支援している団体ですので少し視点が違います。
コンサートの斡旋などはありませんが、通常留学生が必要な支払いや閉鎖口座が免除されます。
閉鎖口座が必要ない
ドイツで学生ビザをとるためには、滞在費用の証明のために「閉鎖口座」(Sperrkonto)が必要になりますが、奨学金を受給している人は滞在費用が奨学金によって証明できるので閉鎖口座を作らなくてもビザを申請することができます。
つまりビザ発行のために閉鎖口座に入金しなければいけない大金を準備する必要がなくなります。これは私はとても助かりました!
ビザに必要な書類などは総領事館のホームページを見てみてください。
https://japan.diplo.de/ja-ja/service/studium/992854
DAADに限らず奨学金を受けている方は閉鎖口座免除が可能なのですが、支給額が多くないと、「これではドイツ滞在の費用をカバーできない」と判断されて申請できない場合があるので注意してください。
ビザの発行手数料が無料
一般的に「ビザ」と呼ばれているものは、ドイツでは「滞在許可証」(Aufenthaltstitel)のことを指します。ここでは馴染みのある「ビザ」と呼びたいと思います。
上記の項目と内容が似てきますが、ビザを発行するにはいろいろと書類を揃えて、街の「外国人局」(Ausländerbehörde)に行って申請をしなければいけません。
いろいろな方のブログを拝見して、「ビザをとるのは担当者との戦いだ」とか、「そんなすぐには出してくれない」といったのを見ましたが、基本的にドイツに来てすぐ大学や大学院に入る方は、学生ビザはすんなりと下りると思います。
そして普通は手数料がかかります。多くて100€ほどかかりますが、奨学金のおかげで無料に。
こちらに来てすぐの頃は何かとお金がかかるのでこれも助かりました。
ドイツ語の学習支援
DAADの奨学金申請時にはそこまでのドイツ語能力は求められません。
奨学生に決まってから留学までの準備の期間に、「ドイツ語のオンラインコース」と「語学学校の授業」がDAADの全額負担で受けられます。これは非常に助かります。
私はコロナが無ければ、リューベックに来る前にドイツの別の街で8・9月の二ヶ月間、毎日授業がある語学学校に行く予定でした。これは自分で街は選べず、先方に自動的に振り分けられました。
語学学校についている寮に入り、なんとDAADから月400€のお小遣いももらえる(奨学金受給開始前です!)ということでとてもワクワクしていました。そこで友達もできて、ドイツ語もみっちり勉強して、ペラペラになっている予定が…
やはり現地開催は厳しく、オンラインに切り替わったので、日本から毎日パソコンの前で授業を受けていました。パソコンを通して毎日4時間授業を受けるというのはかなりしんどかったのでリアルな授業が受けられるならそれに越したことはありません。
本当はとても行きたかったです…コロナが落ち着いたら、きっとまたこの制度も利用できると思います!
保険料は奨学金に含まれている
留学生に結構な負担をかけている「保険料」。ドイツでは医療費が保険によってほぼ全面カバーされている代わりに、保険料はかなりの額です。
こちらも本来は加入の手続きなど大変なのですが、DAADは保険部門もあるので、奨学生になると同時に自動的に加入されていることになります(DAADポータル上で多少の手続きはあります)。個人的な引き落としはありません。
学生向けの格安な保険ではあるようですが、面倒な手続きをしなくて良いのと、毎月高額な保険料を払わなくて良いのは本当に有難いです。
いろんな方と知り合える
こちらは奨学金の内容とは関係ありませんが、日本でDAAD奨学生になっている方と、DAAD奨学生としてドイツに来ている他の国からの留学生、みんな本当に秀才なんです。
ドイツの大学にしかないような専攻をされている方がたくさんいて、こんな世界もあるんだなぁと、他の方が研究されている分野はとても興味深いです。
そもそも、研究内容自体があまりにも高度なので私が理解するのは難しいのですが、こういった素晴らしい方々と繋がりを持てたことが何より嬉しいです。
奨学金同窓生たちは、最初にパーティーで顔を合わせて連絡先を交換できる機会があります。その後ドイツに留学してからは、自分たちで企画してみんなでドイツで集まったりすることも可能です。
昨年末には、同じ年に採用された日本人同窓生たちとハンブルクに集まり、クリスマスマーケットに行ったのがとてもいい思い出です✨
きっと語学学校に行けていたら、いろんな国の同窓生と知り合えたんだろうなと思うと、その点はやっぱり少し残念です。
終わりに
経済的なサポート以上にたくさんの恩恵を受けられるこの奨学金、ぜひお早めに検討してみてください!
ドイツ国内ではかなり規模の大きい奨学金なので、奨学金をもらっているという証明書は、市役所などの公的機関で見せれば大体話がスムーズにいきます(笑)
実際いくらもらっているのか!?こちらの記事で紹介しています!⬇︎
ではまた!☺️
コメント
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