そのうち書こうと思いつつ、なかなか手をつけられなかったトピックを話してみようと思います。
ずばり、東京藝術大学音楽学部に進学するためにやったこと!
なぜ藝大に行こうと思ったか、受験対策、入試の辛さなど…😂
変な人が多いと思われがちな藝大、確かに変な人が多いです。というかいろんな意味で変じゃないと行けない大学でもあると思っている🤭もちろん私もそこに含まれています。
もう卒業してしまったけど、でも私にとっては間違いなく居心地の良い環境でした。
藝大を目指す方々に届きますように!
なぜ藝大に行こうと思ったか
東京音楽大学付属高校に通っていた私は、そのまま行けば東京音楽大学にエスカレーターで進学できたし、実際同級生たちはほとんどその進路を進みました。
しかし藝大の受験を決めました。理由は4つ。
- 藝大に憧れがあった
- 東京音大の学費が高い
- 7年間同じところで過ごすよりは、別のところに行ってみたかった
- 留学を見据えて
ひとつずつ見ていきます!
藝大への憧れ
やっぱりトップクラスの音大ということで、憧れはありました。芸高は受験していないものの、芸祭や学内の演奏会に行ったりして、レベルの高さにその憧れは増して藝大の受験を考えるようになりました。高校1年の時には、もうその意識はありました。
やっぱり準備は早く始めないと行けないので、先生に「藝大にいきたいです」と言ったのが高校2年春の最初のレッスン。
こういうカミングアウトは緊張します。
そしてその緊張からか、それを言ったあとのレッスンでの演奏はもうボロボロ。
「あなたこんなのもまともに吹けなくて藝大にいきたいって言ってるの?こんなレベルじゃあ藝大は受かりませんよ」
と先生に言われ、泣きながら帰ったのを覚えています(笑)
そこから完全にスイッチが入りました。
東京音大の学費が高い
東京音大の学費の高さは私立音大の中でも上位に入ります。
成績優秀者には特待生として学費が減額されたり免除されたりするシステムもありますが、そんなものは入学してみないと特待生になれるかわかりません。
それなら最初から藝大を目指した方が良いか、と思ったわけです。
別のところに行ってみたかった
もちろん高校は楽しかったし、頻繁に連絡をとったり、飲みに行ったりする友達もたくさんいます。いまだに高校時代が恋しかったりします。
ただ高校生の時に、大学に進学した先輩たちの様子をみていたら、大学に入っても付属の人たち同士でいるのはよく見かけました。
もちろんそれが悪いのではなくて、気心しれた仲間で一緒にいるのは当たり前のことで、きっと私もそうなるんだろうな、と思いました。7年間も同じ環境でいるよりは、新しい環境に行った方が新しい人間関係も形成できるし、刺激もありそうで、そこから飛び出すことを決めました。
留学を見据えて
現在リューベック音大で師事しているヨナス先生、実は出会いは高校2年の夏。
先生は藝大の招聘教授として、頻繁に藝大にきていました。
藝大に落ちたら留学する覚悟でしたが、藝大に入れたら先生のレッスンが日本で受けられるチャンスなので、それもあって藝大を目指しました。
受験対策
藝大を受けるためにしなければいけない受験対策は主に3つ。
実技、センター試験対策、そしてソルフェージュです。
実技試験対策
大学の先生に習った方がいいと言われますが、私は高校で習っていた先生に全てアドバイスを受けました。一度だけ教授の先生にお会いしましたが、ご挨拶しただけです。
大学の先生のレッスンに行けば有益なアドバイスはもらえますが、一度でもレッスンをしたことがある受験生に対して、教員は採点してはいけないことになっています。
なので大学の先生に習わないと合格できないなんてことは全くありません。
先生がどうであれ、上手だったら受かるし、そうじゃなければ落ちる、それだけです。
センター試験対策
これが一番大変だったかもしれない…😂
音楽高校では最低限の勉強しかしなかったので、国語と英語だけですがセンター対策は自分でしなければいけませんでした。
藝大を目指している友達の中には塾に通っている友達も多かったです。私はそんな余裕なかったし、とりあえず頭の良い友達に勉強の仕方を教わって自分でやりました。
学校に行ってると勉強の時間が取れないので(学校は受験モードじゃないから)、高3のセンター試験前、11月後半あたりから学校を徐々に休んで、自宅で勉強するようになりました。
学校側の理解もあって、これは本当に助かりました。
でもセンター試験は全く手応えがなく、自己採点の記憶も消し去りました(笑)
6割が合格ラインと噂で聞きましたが、絶対6割取れていない気がする…😇
ちなみに藝大を受験する人の中には秀才もたくさんいますので、センター満点で入ってくる人もいます。尊敬でしかないです。
ソルフェージュ対策
音楽高校なのでもちろんソルフェージュの授業も充実してましたが、東京音大でやるソルフェの課題と、藝大の課題は全くの別物だったので、ソルフェの予備校に通っていました。
こちらは週2回、成城学園前まで通っていました。
藝大受験生が集まってくるところだったので、一緒に受験する仲間もできて心強かったし、実際一緒に入学して、最初から知ってる人たちがいるというのは安心感がありました。
ここに通っていなければソルフェは全く自信がないまま入試を迎えるところだったので、行って良かったなと思っています。
入試は長期戦
他の大学と大きく違うのは、藝大の入試は長期戦だということ。
体力的にも精神的にもかなりきついです。
現在発表されている2022年度入試要項の管楽器のところを見てみると、
1次試験(実技)→2/25,26,27
2次試験(実技)→3/3,4,5
3次試験(ソルフェ)→3/8
となっています。
試験を終えるごとに合格発表があって、次に進めるかどうかがわかります。最終合格発表は、確か3次試験の1週間後くらい。
本当に長い!入学が決まるまでに3回も合格発表があるのです。そのたびに寿命縮みます。
この長期戦を乗り越えられるだけの体力づくりと、精神面の強化が必要になってきます。周囲のサポートもとても大事です。
2022年度入試要項はこちら⬇︎
https://admissions.geidai.ac.jp/wp/wp-content/uploads/2021/07/20210728geidainyuusi-1.pdf
藝大に来る人ってどんな人?
これだけのことを乗り越えて藝大に入ってくる人たち。どんな人たちの集団なんでしょうか?
少なくとも、みんなストイックです。そして根は真面目で、優しくて、いい人が多い。
意地悪な人は見たことないです。
なので人間関係も大体良好。
もちろん、人なので合う合わないはそれぞれあったりしますが、藝大の中って人間的にかなり大人な社会なので、そういう人とはうまく距離をとって過ごしているな、という印象です。
「変な人が多い」と言われがちだけど、上記のことが大前提でありながら、いい意味で変な人が多い。みんな面白かったです。
私としては、この環境がとても過ごしやすくて大好きでした。
おまけ:藝大のここが嫌だ🤣
楽しかった大学時代だけど、学校に関してはちょっと不満もありました(笑)
他の学校と比べても仕方ないけれど、どうしても比べてしまうものです…😂
駅が全部遠い
藝大に行くための手段は、東京メトロの上野駅・根津駅、JRの上野駅・鶯谷駅・日暮里駅、京成上野駅・京成日暮里駅からはすべてアクセス可能です。ただし全部遠い!
どこから歩いても10分以上かかります。
JR上野駅が一番近いような気がしますが、夏は上野公園の白いタイルの上を突っ切っていかないといけないので本当に暑いです。学校に行くだけでサウナに入ったかのような汗が出ます。辛かった…。
根津駅からも歩いて10分ちょっとで着くので近いですが、こちらも日陰が少ない道の上に、学校までずっと登り坂。遅刻しそうな時に走っていくには結構大変です。
いろんな駅からの通学を試してみたけど、楽なルートはありませんでした。暑い夏も寒い冬も、頑張って行くしかありません。
建物とその他諸々が古い
もうこれは仕方のないことだけど、私立音大の中を知ってしまっている私には、あまりの違いにちょっとびっくりしました。
古い椅子、変形した譜面台、調子の悪いエアコン、流れの悪いトイレなど…😂
特にエアコンは調子が悪くなりやすく、夏は壊れると練習室がサウナ状態に。そこで練習するのは身の危険を感じます。冬はあまりに寒いので楽器が心配。早く改善されますように…。
生協(売店)が小さめ
学校の最寄りのコンビニは少し離れていて行くだけで時間がかかるので、生協を利用することが多かったですが小さくて品揃えがあまり良くないのと、少し高かった….。
難しいだろうけど、コンビニが丸々大学に入ったらいいのになぁと思ってました😭
隣の山にある◯京大学は学校内のコンビニや売店が充実してるらしく、同じ国立なのに全然違うもんなんですね🤭
終わりに
私は運よく現役合格できましたが、同級生の半分くらいは浪人を経て入学してきていました。
でも歳が違えば出てくる話題も違うし、頭の良い人が多いから会話も面白いし、とにかくみんな面白い。
だからこそ浪人は全然ネガティブなことじゃなくて、むしろステータスかもしれません。
現役で入ったから偉い、ということも全くないです。
準備はもちろん早めに始めた方がいいけれど、今年ダメなら来年挑戦すればいい。
浪人してでも、進学する価値はある学校だと思っています。
藝大を目指すみなさん、頑張ってー!!!
ではまた!🇩🇪
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