衝撃的なブログタイトル(笑)
いやぁまさか、2週間前にはこんな大きなお仕事をいただけるとは思いもよらず。
実はこれは、一つ前のブログ記事「DBの洗礼を受けた話」の続編でもあります。
電車の遅延により大遅刻したオーディションとは、フランクフルト放送響のアカデミーのオーディションを受けに行っていたのでした。
アカデミーとは、オーケストラにある主に学生向けの制度で、オーディションで選ばれたら、楽団からの奨学金をもらい、団員さんからレッスンも受けながら、演奏会にもオーケストラの一員として参加できるという学生には目から鱗なこの制度。オケにもよりますが、奨学金は800-1000€/月 程度、期間は1年から2年間です。26歳くらいまで申し込みできるところが多いです。
日本には「N響アカデミー」としてNHK交響楽団だけこの制度がありますが、ドイツにはほとんど楽団に存在します。
アカデミーの試験には落ちたけど、エキストラとして呼んでもらった、嘘のような本当の話です🤭
フランクフルト放送響(hr-Sinfonieorchester)とは
フランクフルトに拠点を置き、ヘッセン州のテレビ局(Hessischer Rundfunk)に所属しているオーケストラです。通称「hr」(ハーエル)と呼ばれています。
インバルやヤルヴィといった有名指揮者が歴代の音楽監督を務めた名門。
リハーサルを行う場所はテレビ局(敷地が巨大!)の中にあって、ラジオ放送しているスタジオもちょっとのぞいたりしました。
こちらのオケはYoutubeへの動画投稿にも力を入れているので、もしかしたら見たことある方もいるかもしれません。私は曲の勉強をする時に、もう幾度となくお世話になりました(笑)
どうやってエキストラとして呼ばれたのか
アカデミーのオーディションが終わり、あと一歩だったな〜と少し落ち込んでいた時。
知らない番号からの着信。発信元はフランクフルト!!
慌てて出ると、「フランクフルト放送響ですが、来週空いてないですか?欠員が出たのでエキストラで来て欲しいんですが」との電話。
キターーーーーーーーー!!!!!!
実はこういうパターンは珍しくないらしく、知人の話ではアカデミーのオーディションのあとにかかってきた電話に出たら「契約団員の打診」だったということもあったようで。
なんにせよ、「行きます!!!」と即答し、そこから公演の詳細をもらったのでした。
木曜日に電話をもらい、週末に練習して、月曜日にフランクフルトへ移動という日程でした。空いてて良かった😭
楽団の雰囲気
実はこんなことは言いにくいのですが、ドイツに来て初めてのプロオケ客演だったのです。😱
もう、電話をもらってから、フランクフルトに行き、オーケストラの中で自分の席に座り、音を出して、リハーサルと本番が終わるまで、ドキドキで手汗が止まりませんでした。1週間以上手汗に苦しんだ🤣
でも、団員さんもスタッフの皆さんも本当に優しくて、親切で、わからないことはなんでもちゃんと教えてくれたし、コーヒーやご飯に誘ってもらったり、社員食堂に連れて行ってもらったり、たくさん話しかけてもらいました。
コンサート会場まで団員さんのベンツにも乗せてもらったよ🥳笑
一番印象に残っていること
今回の公演は団員さんの病欠が多く、エキストラがたくさんいたのですが、エキストラへの、またはエキストラ同士でのお決まりの質問がありました。それは「Wo spielst du?」(どこ(のオケ)で演奏してるの?)。
そうか、こういったオケでは学生はまず呼ばれないんだな、と悟った瞬間😂
いろんな方と挨拶する中でもう一つわかったことは、エキストラで呼ばれている人たちもみんな「Aオケ」に所属する一流プレイヤーだということ😂
(ドイツのオーケストラに関するランクはまた別記事で書いてみますね)
今回オーボエセクションは100%エキストラだったのですが、1番オーボエはNDRエルプフィルのソロオーボエ奏者、イングリッシュホルンはマンハイムのソロイングリッシュホルン奏者でした。挟まれた私だけ、北の果てのただの学生🤣
団員さん同士も仲がいいし、エキストラへも優しい、素敵なオケでした。
いやいや、本当に素晴らしい経験をさせてもらいました。
今回の公演内容
今回の公演は、東京でいう「東京国際フォーラム」のような大きい会場で、オーケストラとシンガーのコラボという内容でした。同じプログラムを2日間。2日目は配信もありました。
一人一つマイクがついていて、サウンドチェックで一人ずつ音を出す時が一番緊張したかもしれない(笑)
ポップスの曲と、モーツァルトやメンデルスゾーン、ヒンデミットなどのクラシックの曲を交互にやるという斬新な企画。
「白鳥の湖」や「展覧会の絵」もあり、なかなか大変なプログラムでした。
フランクフルトで生まれ、カナダやアメリカで育ち、大学はまたドイツに戻ってきたという生い立ちのシンガー、Alice Mertonさんとのコラボだったのですが、彼女がめちゃくちゃ良かった。大好きになりました。♡
何がすごいって、超パワフルであり、キュートな女の子であり、スタイル抜群、そして曲が良い😭
彼女のステージパフォーマンスに圧倒されました。
リハーサル時から、歌っている時以外の彼女の姿もみましたが、きっと周りの人をみんな笑顔にしてしまうような不思議な魅力を持っているんだろうな〜と感じました。素敵な人柄なんだと思います。喋ってないけど😂
そしてリハーサル初日から公演2日目までの4日間、見る感じずっと全力で歌っていたのに、声も枯れず最後までやり切っていたのがすごいなぁと、後ろから見守っていたのでした🥺
個人的には、日本でもよくポップスのライブコンサートに行ったりしていて、爆音のあの雰囲気はすごく好きなので、クラシックでhrのサウンドの中にいられたことと、ポップスでコラボできたこと、一石二鳥のようでとても楽しかったです🌸
バイオリンソロのMariさんも素敵でした✨
コンサートが進むにつれ会場はどんどん盛り上がって、お客さんは立ち上がって手拍子してくれたり、思い思いに踊ったり、バラード曲ではスマホのライトをつけて、ペンライトのように振ったりしている人もいて、大盛況で終演しました。みんな楽しんでいるのが伝わってきて、嬉しかったな〜☺️
配信された動画がまだ残っていますので、ちょっと長いですが、気になる方はぜひ観てみてください!私もなんだかたくさん映っています😂
フランクフルトは美味しいものだらけ
余談ですが、今回フランクフルトに長く滞在したのは初めて。
噂には聞いていた、日本食の数々を堪能してきました…😎
お鮨は「三國」で、つけ麺は「反橋や」でいただきました。最高でした。
日本の洋菓子屋さん「イイモリパティスリー」でお茶も♡
飯テロが過ぎるので、この辺りにしておきます😂
終わりに
とても楽しかったですが、電話をもらってから最後の公演が終わるまで、夜もあまりよく眠れず、不安で緊張しっぱなしの1週間。
リューベックに戻ってきて、ほっとしたのか12時間寝ました(笑)
オーケストラはもちろん、フランクフルトの街もとても素敵だったので、いつか住めたら嬉しいなぁ、あんな雰囲気の職場で働けたらいいなぁと思いながら帰ってきました。
またご縁をいただけるように頑張ります✊
ではまた!🌸
コメント